2024年7月3日水曜日

森高千里 名曲ベスト10 Part2. 1992年~1998年の10曲



森高千里の名曲ベスト10✕2、合計20曲 Part2.

Part1.ではアイドルからアーティストへと成長した87年から92年までの10曲を選びましたが、Part2.では円熟期を迎えた92年から結婚前の98年までの10曲をご紹介します。


#01. 私がオバサンになっても

1992.06.25 作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫 編曲:斉藤英夫

森高千里ならオバサンになっても可愛いだろう、というのは現在進行形で証明済みです。大好きな彼と一緒にハッピーに年を取っていく、こんな幸せなことはありませんね。“若い子が好き“な彼をちょっと心配しつつも明るい主人公が可愛いです。


森高千里 『私がオバさんになっても』 (ライブ)


森高千里「私がオバサンになっても」
私がオバサンになっても(シングル)Amazon Music


#02. ペパーランド

1992.11.18 作詞:森高千里 作曲:河野 伸

“PEPPER LAND”とは彼女の地元の熊本にあったライブハウスの名前だそうですね。曲調はビートルズのサージェントペパーズを意識しているように思います。モノクロのジャケット写真もこれまでとは雰囲気が変わって、素の森高千里を前面に出している感じです。


PEPPERLAND


森高千里「ペパーランド」
アルバム『ペパーランド』Amazon Music


#03. 私の夏

1993.05.10 作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫 編曲:斉藤英夫

93年のアルバム『Lucky 7』から2曲。まずは気分ウキウキになる「私の夏」をご紹介します。ANAの沖縄キャンペーンソングに使われたので、当時沖縄に行った人が増えたかも。内容は失恋ソングなんですが、友達と旅をして元気になろうというポジティブな歌ですね。


森高千里 『私の夏』 (PV)


森高千里「私の夏」
私の夏(シングル)Amazon Music



#04. 渡良瀬橋

1993.01.25 作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫 編曲:斉藤英夫

「雨」にも通じる切ない曲はサビの部分で尚更切なく盛り上がります。この曲を聴いて渡良瀬橋を見に行った人もいるでしょう。栃木県足利市にある渡良瀬橋には歌碑まで建てられるという快挙を達成しました。


森高千里 『渡良瀬橋』 (PV)



森高千里『Lucky7』
アルバム『Lucky7』Amazon Music



#05. ロックン・オムレツ

1994.01.25 作詞:森高千里 作曲:伊秩弘将

PVのオープニングはマジカル・ミステリー・ツアーそのまんまで、やっぱりビートルズが好きなんですね。コンパクトにまとめた明るいロックンロールは子供向け番組の挿入歌で、子供だけでなくお母さん達もこの曲でノリノリになっていたのではないでしょうか。静かなバラードもいいけれど、モリタカにはこういう曲が似合います。


森高千里 / ロックン・オムレツ (PV) (4K)


森高千里「ロックン・オムレツ」
ロックン・オムレツ (シングル)Amazon Music



#06. 気分爽快

1994.01.31 作詞:森高千里 作曲:黒沢健一 編曲:高橋諭一

94年の名盤『STEP BY STEP』から3曲。ビールのCMに使われてモリタカの代表曲のひとつになった「気分爽快」は、「私の夏」と同じく明るいメロディーの失恋ソングです。よりによって仲の良い友達が憧れの彼を射止めてしまうという悲劇。果たしてビールの泡は悲しい気持ちを覆い隠すことができるのか?


森高千里 『気分爽快』 (PV)


森高千里「気分爽快」
気分爽快(シングル)Amazon Music



#07. 一度遊びに来てよ

1994.07.25 作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫 編曲:斉藤英夫

大学を卒業後に東京へ帰ってしまった好きな人を想う切ない曲です。森高千里の曲らしく悲しい気持ちを悲しいメロディーに乗せないのがいいところですが、サビの部分でキュンとなりますね。これぞモリタカの隠れた名曲だと思ってます。


森高千里『一度遊びに来てよ』【セルフカヴァー】


森高千里『STEP BY STEP』
アルバム『STEP BY STEP』Amazon Music


#08. 風に吹かれて

1990.10.17 作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫 編曲:斉藤英夫

彼とケンカしちゃったから遠くへ行きたいという内容なんですが、優しいメロディーでホッとする曲です。誰にでもありそうなことや自分が悩んでいることをモリタカがサラッと歌ってくれたら、抱えていた悩みも大したことないや、と思えてきたら良いですね。


森高千里 『風に吹かれて』 (PV)



#09. SWEET CANDY

1997.07.16 作詞:森高千里 作曲:高橋諭一

PVの森高千里の可愛さは特筆ものです。デビューから10年が経過して可愛さと大人っぽさが良い具合にミックスしている感じですね。曲のアレンジもお洒落だし間奏のギターもシティポップ風でカッコいいです。ドラムもご覧の通り彼女が叩いています。


森高千里 『SWEET CANDY』 (PV)


森高千里『PEACHBERRY』
アルバム『PEACHBERRY』Amazon Music



#10. 東京ラッシュ

1998.05.21 作詞:細野晴臣 作曲:細野晴臣 編曲:細野晴臣

森高千里が細野晴臣と出逢って生まれたアルバム『今年の夏はモア・ベター』のトップを飾る曲です。新旧の才能がコラボしたらこんなお洒落なことになるんですね。“ハリー細野”らしいポップな作品だなと思います。


森高千里 / 東京ラッシュ (PV) (4K)


森高千里『今年の夏はモア・ベター』
アルバム『今年の夏はモア・ベター』Amazon Music




デビュー当時の可愛いアイドルから急速に成長して、ほとんどの曲の作詞を手掛けるようになってその才能を開花させ、ドラムなど楽器の演奏もこなす唯一無二のモリタカワールドを築き上げたアーティスト、森高千里の名曲ベストテン後半の10曲でした。




2024年7月2日火曜日

森高千里 名曲ベスト10 Part1. 1987年~1992年の10曲



森高千里の名曲ベスト10✕2、合計20曲 Part1.

 1987年のデビュー以来、今でも人気の衰えない森高千里。彼女の数多い楽曲の中から厳選した名曲をPart1.とPart2.に分けて計20曲ご紹介します。


#01. NEW SEASON

1987.05.25 作詞:HIRO 作曲:斉藤英夫 編曲:斉藤英夫

デビューアルバムのラストに収録されたタイトル曲。当時18歳ですがジャケット写真は少しポッチャリしてまだ幼い感じですね。イントロで既に感じる切なさとワクワク感が同居したような斉藤英夫のメロディーとアレンジがいいなと思います。


森高千里 『NEW SEASON』 (PV)


『NEW SEASON』森高千里
デビューアルバム『NEW SEASON』



#02. GET SMILE

1988.02.25 作詞:伊秩弘将 作曲:島 健 編曲:島 健

セカンドアルバム『ミーハー』に収録。10代の女の子の冷めた目線を描いた歌詞は、サビの部分で覚悟を決めたように弾けます。♪ 行くぞ!と音域目いっぱいで歌うモリタカのボーカルはやや不安定ながら、悲壮感漂いそうなところに健気さも感じさせて良いですね。


森高千里 『GET SMILE』 (PV)


『ミーハー』森高千里
GET SMILE 収録アルバム『ミーハー』



#03. ザ・ストレス -ストレス中近東バージョン-

1989.02.25 作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫 編曲:斉藤英夫

初期モリタカの傑作。この曲を収録したアルバム『見て』以降、多くの曲の作詞を森高千里が手掛けるようになります。誰もが感じるストレスを彼女のフィルターを通して書くとこうなるんですね。ストレスをユーモアで包んだ歌詞と中近東風アレンジが秀逸。思わず笑ってしまうPVも傑作です。


森高千里 『ザ・ストレス -ストレス 中近東バージョン-』 (PV)


森高千里 『ザ・ストレス -ストレス 中近東バージョン-』
ザ・ストレス -ストレス 中近東バージョン- (シングル) Amazon Music



#04. 道

1990.01.25 作詞:森高千里 作曲:安田信二 編曲:斉藤英夫

歌い出しの音が難しそうな曲ですが、デビューの頃に感じた幼さや不安定さがだんだん無くなってきました。どこか懐かしさを感じる歌詞もメロディーも素晴らしい、誰もが若い頃や故郷を思い出しそうな名曲です。


森高千里 『道』 (from Lucky7 Tour)


森高千里 THE FIRST BEST SELECTION ’87~’92
森高千里 THE FIRST BEST SELECTION ’87~’92



#05. 臭いものにはフタをしろ!!

1990.05.25 作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫 編曲:斉藤英夫

昔話に自慢に説教と、面倒くさいオジサンを皮肉った歌詞が最高。若い子にこんなことを言われたら、もう立ち直る自信がありません。シニカルな視線とユーモア、これも森高千里の持ち味です。小気味の良い痛快ロックンロールなのが、また憎いですね。


森高千里 『臭いものにはフタをしろ!! 』 (PV)


森高千里 『臭いものにはフタをしろ!! 』
臭いものにはフタをしろ!! (シングル)Amazon Music



#06. 雨

1990.09.10 作詞:森高千里 作曲:松浦誠二 編曲:斉藤英夫

ここからの3曲は名曲満載の名盤『古今東西』からです。代表曲にもなったこの曲では、モリタカも大人っぽい別れの歌詞を書くようになりました。悲しい雨粒を表現するような切ないピアノが印象的です。


森高千里 『雨』 【セルフカヴァー】



#07. 香港

1990.10.17 作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫 編曲:斉藤英夫

楽しかった香港旅行を歌う歌詞とメロディーがポップでいいなと思います。♪ モンゴルにも行きたい~というところは若い女の子らしい呑気な夢を微笑ましく描いてますね。“それじゃGoodbye”は、“そいじゃGoodbye”と歌っても全然OKです。


森高千里 『香港』 【セルフカヴァー】



#08. この街

1990.10.17 作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫 編曲:斉藤英夫

この曲も森高千里&斎藤秀雄の黄金コンビの作詞作曲です。ライブで歌えばどの街へ行っても盛り上がるでしょうね。懐かしいだけではなく、ちょっと切ない思い出も混じった歌詞には生まれ故郷に対する愛情が感じられます。


森高千里 『この街』 (from Lucky7 Tour)


アルバム『古今東西』いい曲そろってます。Amazon Music



#09. コンサートの夜

1992.02.25 作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫 編曲:斉藤英夫

アルバム『ROCK ALIVE』に収録の、少しだけ胸がキュッとなるモリタカ流卒業ソング。卒業式の夜にみんなで行ったコンサートの思い出を歌った曲ですが、アルバムヴァージョンはエレキギターがカッコいいです。


森高千里『コンサートの夜』2012.11.24.ミニライブ at Yokohama BLITZ


森高千里『コンサートの夜』
コンサートの夜(シングル)Amazon Music



#10. 夏の海

1992.03.25 作詞:森高千里 作曲:高橋諭一 編曲:高橋諭一

楽しいはずの彼と行った海のお話。渋滞はするわ駐車場は満杯だわ海はゴミだらけだわ、それでも夏の海が大好きという歌です。夏が似合う女、森高千里にもこんな思い出があるんだろうかと想像したくなりますね。


森高千里 / LIVE ROCK ALIVE CONCERT TOUR '92 / 夏の海 (4K)


森高千里『ROCK ALIVE』
アルバム『ROCK ALIVE』Amazon Music


以上、前半の森高千里 名曲ベスト10でした。



2020年4月9日木曜日

サザンオールスターズ 80年代の名曲ベスト10



評価を不動のものにした80年代のサザン


「勝手にシンドバッド」で衝撃的なデビューを果たしたサザンオールスターズが、日本を代表するロックバンドとして評価されるようになったのは、精力的にアルバムをリリースしていた80年代のことです。

数々のヒット曲を生み出し続けているのは今も変わりませんが、名シンガーソングライター桑田佳祐がその才能を遺憾なく発揮するようになった、80年代の名曲ベスト10を選んでみました。

第10位:「旅姿六人衆」


静かに始まってサビで盛り上がり、ドラマチックなギターソロが入って最後に余韻を残して終わるオーソドックスなバラード。町から町へとツアーに明け暮れる人気バンドの姿が目に浮かびます。

6人だった頃のサザンを思い出すと聴く人には感慨深いものがあり、メンバーにとってはホロ苦いような甘酸っぱいような思いがあるのかもしれません。

ピアノのリードで♪ラララ…とフェイドアウトしていくラストは、ビートルズの「ヘイ・ジュード」を意識しているような気がします。桑田佳祐の絶妙に嗄れた声には、バラードがよく似合いますね。

綺麗 サザンオールスターズ

収録アルバム:綺麗


第9位:「私はピアノ」


桑田流歌謡曲の傑作で、高田みづえがカバーしてヒットした名曲。タイトルの通りピアノが主役のアレンジは、終わった恋を思う乙女心を表現して秀逸です。

70年代から80年代の洋楽に親しんだ世代は、歌詞に出てくるラリー・カールトンやビリー・ジョエルの名前を聴いてニヤリとするでしょう。

原由子のボーカルにはまだ少し青さと硬さが残っていますが、これはこれで味があっていいなと思います。途中に入るハラボーと桑田佳祐の掛け合いはサザンらしいお遊びです。

タイニイ・バブルス サザンオールスターズ

収録アルバム:タイニイ・バブルス


第8位:「DJ・コービーの伝説」


裸の男が波間にダイブするというジャケットで「何これ?」と思わせてくれたアルバム『Nude Man』のトップを飾るカッコいいロックナンバー。 

洋楽を紹介する人気番組「ベストヒットUSA」や、英語ペラペラでお馴染みの”コービー”こと小林克也に捧げた曲です。

英語が多めに混じった歌詞は小林克也やウルフマン・ジャックなど往年の人気DJをイメージさせると同時に、ラジオで洋楽ロックやポップスなど様々な音楽に親しんだであろう桑田佳祐の少年時代も想像させてくれます。

Nude Man サザンオールスターズ

収録アルバム:Nude Man


第7位:「シャボン」


可愛らしいタイトルですが、どこか寂しい雰囲気のある曲です。漂うシャボン玉の表面に過ぎ去った思い出が映っているような、そんな感じがいいですね。

歌詞の中にはサザンの曲ではお馴染みの江ノ島が出てきます。ホームグラウンドに対する愛情も垣間見えて、更にこの地名が切なさと結びついているところも泣かせます。

原由子のボーカルは、「私はピアノ」に比べるとリラックスしているように感じます。日本を代表するミュージシャンの旦那さんが書いた素敵な曲を、学生時代からのバンド仲間でもある奥さんが歌うという、羨ましくも微笑ましい二人の関係。

人気者で行こう サザンオールスターズ

収録アルバム:人気者で行こう


第6位:「メロディ(Melody)」


2枚組でリリースされた野心作『KAMAKURA』に収録されたバラード。今では想像しにくいのですが、MVにはサザンに相応しいとは思えない、笑わない明石家さんまが登場して「ん?」と思わせてくれました。

 宙を漂うようなイントロには「ミス・ブランニュー・デイ」にも通じるテクノポップな雰囲気を感じます。桑田佳祐のお家芸でもある英語混じりの歌詞と、切ない響きのあるややハスキーなボーカルは何度聴いてもいいなと思います。

普通バラードにサックスの間奏が入ると情熱的で切ないメロディーで盛り上げるものなのですが、この曲では敢えて歌わないシンプルで先鋭的なメロディーを奏でているのが新鮮に感じます。

情感を込めて歌う桑田佳祐のボーカルは相変わらず魅力的で、初期サザンの集大成ともいえるアルバム『KAMAKURA』の中でひときわ光るのがこの曲です。

KAMAKURA サザンオールスターズ

収録アルバム:KAMAKURA




第5位:「匂艶 THE NIGHT CLUB」


ちょっとセクシーでギラギラした雰囲気で、身も心も踊りだすようなナンバー。デビュー曲の「勝手にシンドバッド」もそうでしたが、バンド名からも連想できるようにお祭り騒ぎこそ元々サザンが得意とするところです。

もちろんただ賑やかなだけではなく、ハートに突き刺さるようなメロディーラインを紡ぎ出すのが桑田佳祐の才能で、匂艶を”にじいろ”と読ませても違和感はありません。めくるめく世界に誘うような言葉遊びにもセンスを感じます。

 ミラーボールと原色の光に照らし出されたダンスフロアに響くサザンのロックは、ブラスやハンドクラップの使い方も効果的です。音楽好きな若者の心を浮き立たせ、男と女の本能を刺激する媚薬のような名曲。


Nude Man サザンオールスターズ

収録アルバム:Nude Man


第4位:「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」


テクノな雰囲気で始まるオープニングにシンプルなベースと気持ち良く響くドラム、鋭いギターの音が重なって気分が盛り上がるイントロのカッコ良さ。

Aメロのシンプルな音の繰り返しと、上手くメロディーに乗った歌詞がもたらす高揚感に桑田佳祐のセンスが光るナンバーです。高ぶる気持ちを鎮めるようなストリングスや、ワンポイントで入るアコースティックギターのアレンジも見事。

ノリの良いリズムはノリの良い時代だった80年代とシンクロして、次々と繰り出される歌詞は浮かれた世の中の雰囲気に流される女の子をシニカルな視点で描いています。当時の最先端を行く日本のロックがそこにはありました。

人気者で行こう サザンオールスターズ

収録アルバム:人気者で行こう


第3位:「夏をあきらめて」


楽しいはずの海辺のデートが、雨のせいで夏の終りの感じになってしまうという情景が目に浮かびます。ホットなはずの彼女との関係にも、なんだか寂しく切ない雰囲気が漂ってしまうというショートストーリー。 

サザンの曲には海と恋が付きものですね。この曲にも江ノ島が登場しますが、バンドにとってはいつでも帰ってくることができる場所であり、ファンにとっては安心感のある聖地のような場所なのでしょう。

研ナオコのカバーにもそれなりの良さはありますが、やはりオリジナルにはかないません。今更ですが桑田佳祐の歌の上手さが堪能できる名曲で、桑田流歌謡曲の完成形にして最高傑作だと思います。

Nude Man サザンオールスターズ

収録アルバム:Nude Man


第2位:「マチルダBABY」


嵐が吹きすさぶ不穏なオープニングに続いて始まるサックスを使ったイントロで、一気にサザンが構築した冒険の世界に引き込まれます。

愛する彼女を魔物が棲む要塞から救い出すというゲームや映画のようなコンセプトは、忘れていた少年の心を再び蘇らせてくれるようで、色々な事で疲れ気味のオジサンも元気になる曲です。

様々な危機や困難を乗り越えて彼女を無事連れて帰れば、その時はきっと達成感と幸福感に包まれるでしょう。歌の主人公が結局どうなったのかは最後まで不明ですが、ハッピーエンドを期待したいですね。

ゲーム世代だけでなくすべての人に勇気と元気と希望が湧いてくる、最高にカッコいいサザンのロックナンバーです。

綺麗 サザンオールスターズ

収録アルバム:綺麗


第1位:「夕方 HOLD ON ME」


第1位に選んだのは、コンサートの最後に流れたら幸せな気持ちになりそうな「夕方 HOLD ON ME」です。

ブラスを使ったゴージャスなオープニングから既に気分は最高潮で、いきなり高い音で歌い出す桑田佳祐のボーカルも絶好調。稀代のボーカリストが気持ち良さそうに歌うこの曲を聴くと、自然と笑顔になってしまいます。

名曲「You've really got a hold on me」に掛けた言葉遊びや英語を多用した歌詞などサザンらしさも満載で、柔らかいギターの音や間奏のハーモニカ、後半のアカペラなど古き良き時代のポップスを意識したアレンジも楽しめます。

ポップスター桑田佳祐が生み出した、多幸感に包まれる最高の名曲です。

人気者で行こう サザンオールスターズ

収録アルバム:人気者で行こう


80年代になるとデビュー当時のサザンにあった素人っぽさもだんだんと薄れてきて、プロらしくなってきました。ただし持ち味でもあるユーモアとエロスは健在で、これはアマチュアの頃からそうだったのかもしれません。

また改めて思うのは桑田佳祐のソングライティングやボーカルの才能の素晴らしさと、サザンオールスターズの曲には欠かせない原由子のコーラスの心地良さです。

山下達郎と竹内まりやもそうですが、若い頃に幸せな出逢いをしてその後も共に日本の音楽シーンで活躍を続けているのは素晴らしいことですね。

桑田佳祐の才能は枯れることのない泉のようなもので、これからも名曲をたくさん生み出してくれるだろうと楽しみにしています。


2019年12月21日土曜日

ユーリズミックス 人気曲ベスト10(動画あり)

ユーリズミックス Touch

これこそ初期ユーリズミックスのイメージです。3rdアルバム『Touch』

鮮烈なインパクトを残したアニー・レノックス




80年代にヒット曲を連発したユーリズミックスの、おすすめ人気曲ベスト10を選んでみました。シャープな美貌と圧倒的な歌唱力で鮮烈なインパクトを残した、アニー・レノックスのボーカルが堪能できる10曲をご紹介します。各曲のMVも合わせてお楽しみ下さい。


第10位:When Tomorrow Comes


明るめでリラックスした雰囲気が楽しめる曲です。ソウルフルと評されることの多いアニー・レノックスのボーカルですが、こういう開放的な曲を歌う彼女の姿も魅力的だと思います。エコーを効かせたドラムの音が如何にも80年代。



第9位:Love Is a Stranger


テクノポップ風のアレンジが初期のユーリズミックスらしい曲で、高い音域を使ったコーラスの付け方が見事。ロングヘアのアニー・レノックスは、豪勢な邸宅に暮らす高貴な婦人か、魔性の女か。どちらにせよ美しいです。



第8位:Miracle of Love


抑制の効いた、それでいて感情を揺さぶられるようなメロディーが素敵な曲です。ユーリズミックスの曲はコーラスの付け方が男声女声どちらもセンスがあって素晴らしく、この曲ではあまり目立たないけれどデイヴ・スチュワートのコーラスも効果的です。



第7位:Here Comes The Rain Again


ストリングスも使った印象的なイントロに続いて入るアニー・レノックスのボーカルは、曲全体を通して低めの音域を使っています。これくらいの音域が彼女によく似合うような気がするし、本人も歌っていて気持ちがいいのかもしれません。ブレイクに少しだけ入るギターの使い方にセンスを感じます。



第6位:Thorn In My Side


デイヴ・スチュワートが弾く12弦ギターの音が新鮮で気持ちいいオープニング。凝ったアレンジはユーリズミックスの持ち味のひとつで、イントロに一瞬だけ入る"Yeah!”という女性コーラスがカッコいいです。サックスやシンセサイザーを使ったポップな味付けが楽しめます。








第5位:I Saved the World Today


99年にリリースされた曲なので、MVのアニー・レノックスは落ち着いた大人の雰囲気を漂わせています。憂いや哀しみが彼女の姿に現れているようで、静かなメロディーも感動的です。この曲を歌いこなすには歌唱力だけではなくて、ある程度年齢を重ねた人生の重みも必要なのでしょうね。



第4位:Who's That Girl?


「あの娘はだあれ?」というタイトルがどこか切ない曲。マイナーなメロディーの曲を歌わせると、アニー・レノックスのボーカルは天下一品です。ライブで思い切り歌う姿もカッコいいけれど、こういう曲でこそ彼女の個性や持ち味が生きるのではないでしょうか。



第3位:Sweet Dreams (Are Made Of This)


ユーリズミックスのイメージを決定づけた、インパクトの強い曲です。急かされるようなリズムとテクノ風のアレンジで何とも言えない暗めな雰囲気の世界が広がり、サビの部分は不安を煽るような抑え気味の盛り上げ方。これぞユーリズミックスの独壇場です。



第2位:Would I Lie to You?


最高にカッコいいロックナンバー。切れ味抜群のホーンセクションとゴージャスな女性コーラス、珍しく前面に出たデイヴ・スチュワートのギター。この曲の特徴でもあるホーンとコーラス、それに何よりもアニー・レノックスのボーカルを活かすギターです。

あまりシャープで尖った音にし過ぎずに角の取れた音にして、それでも印象に残るカッコいいギターにしたところが彼のセンスだと思います。思い切り弾けたアニー・レノックスのボーカルが爽快。



第1位:There Must Be An Angel (Playing With My Heart)


アニー・レノックスのスキャットで始まるイントロはまさに天に昇るようで、一気にユーリズミックスの世界に惹き込まれてしまいます。彼女はそのビジュアルから硬質な声を出しそうなイメージもありますが、実は柔らかい輪郭を持った素敵な声の持ち主です。

この曲は「スイート・ドリームス」の中性的で退廃的な世界から一転して、彼女のボーカルが優しく幸せな雰囲気に包んでくれます。ストリングスとオペラ風のバックコーラス、後半に入るスティービー・ワンダーの温かいハーモニカなど、巧みなアレンジが多幸感を演出します。

ユーリズミックスの代表曲で、80年代の洋楽ポップスを代表する名曲のひとつだと思うので、栄えある第1位に選びました。




81年にアメリカで放送が始まったMTVは、70年代には珍しかったミュージシャンのビデオクリップを24時間放送して大人気となりました。

同じ年にデビューしたユーリズミックスは、アニー・レノックスのビジュアルを生かした質の高いMVを制作してプロモーションを行い、楽曲のヒットにつなげます。

ベリーショートのヘアースタイルが世界一似合うアニー・レノックスが、それぞれの曲のイメージに合わせて色々な姿を見せてくれるのも楽しみです。


BE YOURSELF TONIGHT ユーリズミックス

「Would I Lie to You?」と「There Must Be An Angel」の2大ヒット曲を収録した、ユーリズミックス絶頂期のアルバム。85年リリースの名盤『Be Yourself Tonight』